【3月10日 AFP】露日刊紙コメルサント(Kommersant)は10日、前年11月に特急「ネフスキー・エクスプレス(Nevsky Express)」が攻撃を受け28人が死亡した事件の容疑者10人が前週拘束され、現在モスクワ(Moscow)で取り調べを受けていると報じた。

 同紙によると10人はロシア南部イングーシ(Ingushetia)共和国で拘束された。容疑者の1人の自宅からは特急の攻撃に使われたものとよく似た起爆装置が見つかった。残る9人は2日に別の村で拘束され、9人ともカルトエフ(Kartoyev)という名字だという。10人は共に飛行機でモスクワに移送された。

 連邦保安庁(FSB)は、2日にイスラム武装勢力の主要な指導者の1人で、サイード・ブリャツキー(Said Buryatsky)の名で知られるアレクサンドル・ティコミロフ(Alexander Tikhomirov)容疑者や、ネフスキー・エクスプレスの事件など十数件で実行犯グループを率いたトゥカン・カルトエフ(Tukhan Kartoyev)容疑者ら8人を殺害したと発表していた。

 ネフスキー・エクスプレスの事件ではロシアに対する攻撃を繰り返している「コーカサス首長国(Caucasus Emirate)」というイスラム系の武装勢力が犯行声明を出している。ティコミロフ容疑者はこのグループの思想的な指導者だったとみられている。(c)AFP