【3月8日 AFP】(一部更新)アフリカ中西部ナイジェリアのプラトー(Plateau)州の州都ジョス(Jos)北部近郊で7日夜、複数のキリスト教徒の村が、対立するイスラム教徒住民の襲撃を受け、数百人が殺害された。ナイジェリア政府は現在、現地に軍を派遣し、警戒を強めている。

 州政府発表による死者数は少なくとも500人。一方、目撃者や地元の人権活動家らによると、死者数は200~250人と情報が食い違っている。また襲撃にからみ、これまでに95人が逮捕された。

 ジョス近郊のドゴナハワ(Dogo Nahawa)村など3村が夜間に襲撃され、なたを手にした暴徒が村々を放火して回った。ドゴナハワにいる記者の1人は103遺体を確認した。

 目撃者によると、武装した暴徒たちが空砲で村民たちを威嚇しながら家から追い出し、村落外の林に向かって逃げ惑うところを、なたで惨殺した。村民を逃がさないために動物用のわなや、漁に使う網も用いたという。犠牲者の多くは女性や子どもたちで、襲撃は午前3時ごろ始まり、6時まで3時間にわたり続いた。

 地元住民によると、襲撃した側は遊牧生活を営むイスラム教徒のフラニ(Fulani)族で、標的とされたのは、キリスト教徒が多数を占めるベロム(Berom)族。2つの氏族はウシの盗難をきっかけに対立を深め、その後、襲撃と報復が繰り返されている。

 ジョスでは1月にも宗教を異にする氏族間で衝突が発生した。この時も、警察は少なくとも326人が死亡したと発表したが、宗教活動家や人権活動家らは550 人以上が死亡したと主張し、発表された死者数に食い違いがあった。1月以降、市内周辺の一部では現在も夜間外出禁止令が敷かれている。(c)AFP/Aminu Abu Bakr