【2月18日 AFP】(写真追加、一部訂正)アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)を排除するため、米海兵隊、北大西洋条約機構(NATO)主導の国際治安支援部隊(ISAF)とともに南部ヘルマンド(Helmand)州で大規模な軍事作戦を行っているアフガニスタン国軍は17日、タリバンの拠点となっていた同州マルジャ(Marjah)を制圧し、アフガニスタン国旗を掲揚した。

 米ホワイトハウス(White House)は同日、13日から開始した作戦について「順調に進んでいる」との認識を表明したが、前線の指揮官らによると、タリバンは民間人を「人間の盾」として使い、多数の地雷を仕掛けるなどして抵抗しているという。

 タリバンは、非戦闘員に発砲してはならないという連合軍の規則を逆手に取っており、アフガン国軍の指揮官は、「女性や子どもを家々の屋根の上に立たせ、その背後から銃撃してきた」と話した。また、国軍兵士らも、銃撃戦に巻き込まれて負傷した民間人らを目撃したと証言した。

 タリバン報道官は、人間の盾の使用を否定している。

 マルジャはここ数年、タリバンや麻薬取引に携わる地元勢力の支配下にあった。国軍が国旗を掲げた、激戦の舞台となった市場は、店舗や建物は激しく損壊し、地雷があるとみられる道路は有刺鉄線で封鎖されている。

 軍部隊とともにマルジャに入ったヘルマンド州のモハマド・グラブ・マンガル(Mohammad Gulab Mangal)知事は、武装勢力や地雷を完全に排除したというには時期尚早だと語った。マンガル知事によると、戦闘で死亡した民間人は12人という。タリバン側の死者は40人としている。(c)AFP/Patrick Baz