【1月28日 AFP】ポーランド南部のアウシュビッツ・ビルケナウ(Auschwitz-Birkenau)強制収容所が解放されてから65年目の27日、生存者や旧ソ連の退役軍人、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相ら関係国首脳らが出席して追悼式典が行われた。

 ネタニヤフ首相は「この場所から私は、ユダヤ人の指導者として、邪悪な存在が再びわが民族を傷付けることを決して許さないことを誓う」と述べた。

 自身もホロコースト(ユダヤ人大虐殺)で孤児になったポーランド生まれのテルアビブ(Tel Aviv)首席ラビ、イスラエル・メイール・ラウ(Israel Meir Lau)師や、ポーランドの首席ラビ、ミハエル・シュードリッヒ(Michael Schudrich)師が、寒さのため白い息を吐きながら、死者を弔うユダヤ教の祈り、カディッシュ(Kaddish)を抑揚をつけて唱えた。

 出席者はその後、ポーランド軍のラッパ手による鎮魂の曲が流れるなか、収容所の犠牲者の慰霊碑に火をともしたろうそくを供えた。

 生存者の高齢化は進んでおり、骨まで凍りつくような寒さをおして出席した約100人のアウシュビッツの生存者の大半にとって、この場所を訪れるのは今回が最後になるとみられる。

 1940~45年にかけて、約110万人がアウシュビッツ・ビルケナウ強制収容所で命を落とした。うち100万人がナチスが占領した欧州各地から連れてこられたユダヤ人だった。多くはガス室で殺されたが、銃殺刑や絞首刑にされたり、栄養失調、病気、過酷な強制労働、医学研究のためとされた人体実験で殺された人もいた。

 強制収容所はナチス・ドイツがポーランド南部のオシフィエンチム(Oswiecim)に作ったもので、1945年1月27日、ソ連軍によって解放された。2005年、国連(UN)はこの日を「国際ホロコースト記念日(International Holocaust Remembrance Day)」と定めた。(c)AFP/Jonathan Fowler