【1月14日 AFP】アフガニスタン南部ヘルマンド(Helmand)州で12日、北大西洋条約機構(North Atlantic Treaty OrganisationNATO)主導の国際治安支援部隊(International Security Assistance ForceISAF)がイスラム教の聖典コーランを冒涜(ぼうとく)したと数百人が抗議するデモが起き、アフガン当局者の発砲で7人が死亡した。

 同州知事の報道官が13日明らかにしたところによると、11日にISAFが実施した旧支配勢力のタリバン(Taliban)系の麻薬密売組織に対する作戦中に、コーランを冒涜する行為があったとのうわさが広がり、抗議する人々が同州のアフガニスタン国家治安局(National Directorate of SecurityNDS)の建物に押しかけた。

 デモ隊が受刑者を解放しようと建物を破壊し始めたとき、混乱の中で発砲が始まったという。

 この報道官によると、州知事の命令で行った調査の結果、最初に発砲したのはアフガン情報機関の当局者で、現場に駆けつけたISAFの兵士らはデモ隊から投石を受けたが発砲はしなかったという。

 また、コーランが冒涜された事実もなかったとし、「全ての責任はデモをあおったタリバンにある」として、コーランをめぐるうわさはタリバンによるでっち上げだったと説明した。(c)AFP/Nasrat Shoib