【12月28日 AFP】イスラエルによる大規模攻撃から1年を迎えたパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)では27日、空爆が始まった時刻に追悼のサイレンが鳴り響き、人びとは犠牲者に黙とうを捧げた。

 2008年12月27日に始まった、ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)に対するイスラエル軍の攻撃では、この日1日だけで少なくとも225人が死亡。その後22日間にわたって続いた攻撃で、子どもや未成年者400人あまりを含む約1400人のパレスチナ人が犠牲となった。負傷者数は5500人、破壊された家屋は6400棟に上る。一方、イスラエル側の死者は13人だった。

 ハマス指導者のイスマイル・ハニヤ(Ismail Haniya)元パレスチナ自治政府首相は27日、テレビ放送を通じた追悼演説で、「敵(イスラエル)はガザ市民や自治政府、抵抗運動に血塗られた奇襲で衝撃を与えようとしたが、神への信仰はこれに打ち勝った。ガザは伝説的な決意の強さでもって勝利したのだ。イスラエルの戦闘目的が失敗に終わった」と強気の発言に徹した。

 一方、イスラエルではガザ攻撃1周年への認識は皆無で、ベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相も閣議で言及していない。

 イスラエルによる大規模攻撃以降も、ハマスのガザ実効支配に揺らぎはなく、ハマス、イスラエルとも再び戦闘準備を進めているとの懸念が広がっている。(c)AFP