【12月9日 AFP】パキスタン東部ムルタン(Multan)で8日、同国の情報機関「三軍統合情報部(Inter Services IntelligenceISI)」の事務所付近で銃や爆発物による自爆攻撃があり、9人が死亡した。ムルタンはユサフ・ギラニ(Yousuf Raza Gilani)首相の地元。

 当局者によると、爆発物を積載したピックアップトラックに乗った2人の自爆犯が兵士に発砲して検問所を突破。三軍統合情報部に接近を試みたが制止されたところ、爆弾を爆発させた。民間人5人と兵士2人が死亡し47人が負傷したほか、道路には巨大な穴が開いた。犯人2人も死亡した。

 パキスタンでは、米国からの厳しい圧力の下、政府によるイスラム原理主義組織タリバン(Taliban)の掃討作戦が同国北西部を中心に続けられているが、今年はイスラム武装勢力によると見られる攻撃が急増している。軍部を標的にした攻撃の増加は、核保有国の中枢機関のぜい弱さを露呈する形となった。

 同国では7日、パンジャブ(Punjab)州の州都ラホール(Lahore)と北西辺境州の州都ペシャワル(Peshawar)で爆弾攻撃が発生したばかり。ムルタンの攻撃を含めると、24時間以内に3件の攻撃が起きたことになる。当局者が8日に明らかにしたところによると、ラホールの市場では30メートルほどの間隔で仕掛けられた2発の爆弾がほぼ同時に爆発し、子ども6人を含む49人が死亡、約150人が負傷した。(c)AFP/Sattar Qamar