【11月19日 AFP】貧困と汚職がアフガニスタンの人々を戦争に駆り立てている――アフガン地元住民へのヒアリング調査に基づくこのような報告書が18日、発表された。

「The Cost of War(戦争の代償)」と題された報告書は、戦争で荒廃した同国の様子を浮き彫りにするとともに、同国政府に法の整備、警察組織と司法制度の立て直しのほか、汚職の取り締まり強化、刑事免責や利益供与の慣習撲滅を促している。

■戦争の原因は「貧困」

 この調査は、国際支援団体オックスファム(Oxfam)とアフガニスタンの地元団体が共同で、今年1月~4月に14州からランダム抽出した男女704人を対象に行ったもので、1978年のクーデターとそれに続くソ連の軍事介入を発端とする30年間におよぶ戦争が一般市民にどのような影響を与えたかをまとめた。

 その結果、戦争の主な要因として70%が「失業」と「貧困」を挙げ、48%が「汚職」と「機能していない政府」と回答した。

■国際援助の実感なし

 アフガニスタンでは国民の半数近くが貧困ラインを下回る生活をしており、25万人以上が国内避難民となっている。報告書は「多くのアフガン人は、(政府や国際社会は)数々の約束をするが、実際に人々が恩恵を受けることはほとんどないと感じている。これが欲求不満や失望を招き、最終的に安定を揺るがしている」と指摘。汚職を撲滅し、経済発展と必要な人に届く支援を確実にするよりよい方法を取るよう国際社会に呼びかけている。

 また、戦争当事者に対しては、武装勢力と国際支援部隊の双方に対し、一般人の安全を最優先とすることを強く求めている。(c)AFP/Ian Timberlake