【11月2日 AFP】(一部更新、写真追加)パキスタンの首都イスラマバード(Islamabad)近郊ラワルピンディ(Rawalpindi)の高級ホテル付近で2日、給与を受け取りに集まっていた市民らを狙ったオートバイによる自爆攻撃があり、少なくとも35人が死亡した。国連(UN)は同日、同国北西部から海外スタッフを撤収させると発表した。

 民間人をねらった爆弾攻撃はこの1週間で2件目。ラワルピンディにある軍総司令部付近で起きた攻撃は、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)に関連した武装勢力がパキスタンに及ぼしている脅威の甚大さを示すものとなった。

 目撃者によると、爆発は、銀行や高級ホテルShalimar Hotelが入った建物の外で起き、周囲の窓ガラスは割れ、一帯はバラバラになった市民の遺体で血に染まったという。

 警察幹部のアスラム・タリン(Aslam Tarin)氏は、記者団に対し「犯人はオートバイに乗って給与を受け取りに並んでいた人の列に近づき、自爆した」と説明。現場から、自爆攻撃犯が着ていた起爆装置付きベストと犯人の遺体の一部を回収したという。

 自爆攻撃のあった現場は、10月に武装集団10人が24時間近く立てこもり23人が死亡する事件が起きたばかりのパキスタン軍総司令部や、高級ホテル「パールコンチネンタルホテル(Pearl Continental Hotel)」のそばだった。

■治安悪化するパキスタン、国連もスタッフ撤収へ

 パキスタンの急速な治安悪化を受けて、国連は2日、同国北西部に滞在する海外スタッフらを撤収させると発表した。前月末には西部ペシャワル(Peshawar)で、自動車爆弾の爆破により118人以上が死亡する事件が起きていた。

 国連のIshrat Rizvi報道官は、AFPに対し「(北西部の海外スタッフは)ただちに移転する」と語った。撤収するスタッフの人数は明らかになっていない。

 潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)国連事務総長は、北西辺境州(North West Frontier Province)と連邦直轄部族地域(Federally Administered Tribal Areas)の治安レベルを「フェーズ4」に引き上げると発表した。(c)AFP/Khurram Shahzad