【9月4日 AFP】(一部更新、写真追加)アフガニスタン北部クンドゥズ(Kunduz)州の村で4日、旧支配勢力タリバン(Taliban)が乗っ取った燃料輸送車2台を、北大西洋条約機構(NATO)主体の国際治安支援部隊(International Security Assistance ForceISAF)が空爆し、地元政府によるとタリバン戦闘員と集まっていた地元住民ら約90人が死亡した。多くは武装勢力だが、死亡した民間人の中には子どもも含まれているとしている。

 一方、ISAFに所属するドイツ軍は空爆を認めた上で、タリバン戦闘員56人を殺害したと発表。民間人に死傷者はないとしている。

 現地の警察幹部や負傷した目撃者の話によると、タリバンは3日夜、ISAFの駐留部隊向けの燃料を運んでいた輸送車2台をハイウェイで乗っ取った。乗っ取った輸送車を川の向こうに移動させようとしたところ、1台目は川を渡ったが、2台目が川にはまってしまったため、タリバン戦闘員が村人に燃料を抜き取るよう呼びかけたという。

 住民らがバケツなどを手に集まった時、輸送車が爆撃を受け、周囲にいた人は全員死亡したという。攻撃時、輸送車の上にはタリバン戦闘員10-15人が乗っていたという。アフガニスタン政府は200-250人の住民が集まっていたとみられると発表した。

 ISAFの発表によると、燃料輸送車が奪われたのは3日午後10時(日本時間4日午前2時30分)ごろで、数時間後に川沿いで輸送車を発見、「周辺に武装勢力しかいないのを確認したため攻撃した」としている。

 重傷者は州都クンドゥズの病院に搬送されたが、8人が筋肉が見えるほどひどいやけどを負っているほか、燃えた服が体に貼り付き、泣くこともできずにいる負傷者もいたという。病院には続々と負傷者が運び込まれており、死傷者の正確な人数は分かっていない。(c)AFP/Ameen Salarzai