【8月28日 AFP】アフガニスタン駐留米軍のスタンリー・マクリスタル(Stanley McChrystal)司令官は、米軍の対アフガン戦略について「アフガニスタン住民」を主体とする新たな指針(ガイドライン)を発表した。米軍当局が27日明らかにした。「反政府勢力との戦闘での勝利」を再優先に掲げていた従来戦略からは、大きな転換となる。

 マクリスタル司令官はガイドラインの中で、米軍や多国籍軍は「ゲスト」にすぎないとし、「駐留軍の任務は地域住民を守ることだ。戦闘の勝者を決めるのはアフガニスタン国民であり、われわれ(アフガニスタン政府と多国籍軍)は地域住民の支援に最善を尽くす。従来の考え方は捨てて、武装勢力の掃討ではなく住民の保護を重視すべきだ」と述べている。
 
 2001年に米軍主導の多国籍軍によりイスラム原理主義組織タリバン(Taliban)の政権が崩壊して以来、アフガニスタンにおける武装勢力による攻撃は増加の一途をたどり、過去最悪の水準にまで達していたことから、米軍は5月、戦略の見直しが必要だとしてデービッド・マキャナン(David McKiernan)前司令官を更迭し、マクリスタル氏を新司令官に充てた。

 2009年1-8月間におけるアフガニスタン駐留軍の犠牲者は、1年の死者数としては、すでに01年以降で最多数に達している。(c)AFP