【7月31日 AFP】イランの治安部隊は30日、6月のイラン大統領選の結果に抗議してテヘラン(Tehran)中心部の集団礼拝場に集まった改革派ミルホセイン・ムサビ(Mir Hossein Mousavi)元首相の支持者らに対し、催涙弾や警棒などを使ってデモを散会させようとした。

 一方、目撃者によると、治安当局により殺害されたデモ参加者を追悼するために、テヘラン郊外のベヘシテ・ザハラ(Behesht-e Zahra)墓地に集まった約2000人の一部と治安部隊の間にも衝突が発生した。

 選挙結果をめぐる緊張が依然として高いなか、治安部隊とデモ隊が衝突したのは3週間ぶりのことだ。

 目撃者の話によると、テヘラン中心部の集団礼拝場には当局の警告を無視して数千人が集まり、付近の通りも埋め尽くした。「独裁者に死を」「政治犯を釈放しろ」などと叫ぶ群衆に対し、警官らが催涙弾を発射したり、警棒で殴りつけたりしたという。

 同日夕方には、数百人の治安部隊や自警団が、集会を阻止しようと、オートバイで市内を巡回する姿が見られたという。

 なお、追悼に参加した有名映画監督のジャファル・パナヒ(Jafar Panahi)氏とその家族ら数人が拘束されたという。ムサビ元首相も墓地に訪れたが、到着からわずか数分後に治安当局により排除された。同じく改革派で追悼に参加したメフディ・カルビ(Mehdi Karroubi)元国会議長は、警察に包囲されたものの、墓地でのコーラン朗唱はかなった。

 この日は、抵抗のシンボルにもなったネダ・アガソルタン(Neda Agha-Soltan)さんの死からちょうど40日目にあたる。銃弾を受け血を流して亡くなるこの若い女性の映像は世界中に流れ、イラン政府への抗議の声が高まった。(c)AFP/Jay Deshmukh