【7月16日 AFP】前年12月-今年1月のイスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)攻撃に参加したイスラエル軍兵士らが、軍上層部から「疑わしければまず撃ち、結果はその後で心配すればよい」といった指示や、パレスチナ民間人を「人間の盾」として使用するよう指導されたと証言した。イスラエル退役兵らで作るグループ「沈黙を破る(Breaking the Silence)」が15日、報告書を発表した。

 報告書によると、証言は匿名の兵士30人ほどから集められたもの。その結果、ガザ地区における大規模な破壊は、「イスラエル国防軍(Israel Defense ForcesIDF)の方針の直接的な結果」であることが明らかになったとしている。

 1人の兵士は、「建物に接近するときには、いつも近所の人間を先に送り込んだ」と述べ、イスラエル兵たちがパレスチナ民間人を「人間の盾」として使用するのが常態化していたことを証言した。

 別の兵士は、上官から「民間人の肩に銃身を置き、その体を盾にして家の中に入っていった実例」を聞かされたという。

 戦闘前にこうした指示が与えられたことで、兵士たちはむやみに発砲しがちになり、民間人の死者を出したり、壊滅的な打撃を与える結果を招いたと兵士らは証言している。(c)AFP/Yana Dlugy