【7月13日 AFP】バラク・オバマ(arack Obama)米大統領がガーナ滞在中のインタビューで、2001年にアフガニスタンの旧勢力タリバン(Taliban)の戦闘員約2000人が、拘束された後に死亡した事件について、米国が支援していたアフガニスタン軍閥が関与したとの疑惑の調査をブッシュ前政権が阻止しようとした可能性を調べるよう、命じたことが明らかになった。

 オバマ大統領は、米国時間13日に放映予定の米CNNのインタビューで、「この件に関して最近、適切な調査が行われていなかった可能性が示され関心をもった。安全保障担当チームに事実の収集を要請した。すべての事実が集まった時点で、どう対処するか決定を下すことになるだろう」と語った。

 問題となっている事件は、2001年11月、米中央情報局(CIA)の支援を受けていた軍閥のラシド・ドスタム(Abdul Rashid Dostam)将軍配下の部隊が、北部クンドゥズ(Kunduz)での戦闘後に拘束したタリバン戦闘員を、貨物コンテナに閉じこめて窒息死させたり、コンテナごと銃撃して殺害したとされるもの。殺害された人数は最大2000人とみられている。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は前週10日、ブッシュ前政権の高官らがこの事件をめぐり、米連邦捜査局(FBI)、国務省、国防総省それぞれによる独自調査を阻止したと報じた。同報道によると、当時の米政府高官らは、事件に関与したドスタム将軍の部隊にCIAが資金提供していたため、事件をもみ消したがったとしている。

 ドスタム将軍はアフガニスタン北部の一部に支配力をもつ軍閥の1人で、1980年代の旧ソ連によるアフガニスタン侵攻の際には、ソ連側と同盟を結んだ。しかし、後に米国側に転じて軍事支援やCIAの支援を受け、2001年の米国同時多発テロ後に米国がアフガニスタンに侵攻した際には、「北部同盟(Northern Alliance)」の一翼としてタリバン政権追放を目指し、米軍と緊密に連携した。ハミド・カルザイ(Hamid Karzai)政権で国防省要職を務めたこともある。(c)AFP