【7月9日 AFP】中国当局は8日、大規模な暴動が発生した新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)区都ウルムチ(Urumqi)について、「統制下」にあると発表した。一方で、警察の機動隊や軍部隊が大量動員されているにもかかわらず、武器をもった群衆が散発的な暴力行為を行っているという。

 5日に発生した大規模暴動で156人が死亡したとされるウルムチでは、数千人の軍兵士や機動隊員らが「市民を守れ」を合言葉に市内に展開している。上空には軍のヘリコプターも飛行している。

 漢民族の男性(45)は、トラックに乗って通りすぎる兵士らを見て、「(治安部隊の動員を)支持するが、もっと早く行うべきだった。3日もかかっている。どうしてそんなに時間がかかるのか」と語った。

 7日に夜間外出禁止令が発令された後、当局は秩序維持能力をはっきりと示す意向を決めたと見られる。ヘルメットと盾をもった数千人の機動隊員が主要幹線道路に配置され、市中心部とウイグル人居住区を分断している。機動隊員の背後には、軍部隊が控えている。

 治安部隊の大量動員により、市内で武器を手にする市民を見ることはほとんどなくなった。また、Jerla Isamudinウルムチ市長は、市内の状況は「統制下」にあると語った。同市長はさらに、暴動に関連した殺人で有罪になったものはすべて死刑になるだろうとの見解を示した。

 国営新華社(Xinhu)通信は8日、市内は「平静を保っているようだ」とする一方で、「依然として、散発的な対立や衝突が報告されている」と伝えている。

 AFP記者によると、一部の漢民族とウイグル人は双方とも棒やナイフなどで武装しており、衝突や暴力につながりかねない緊張は依然として解消されていないという。(c)AFP/Robert J. Saiget