【7月3日 AFP】米海兵隊は3日までに、アフガニスタン南部ヘルマンド(Helmand)州で2日から展開している旧支配勢力タリバン(Taliban)の大規模掃討作戦「剣の一撃作戦(Operation Khanjar)」で、タリバンの政治・司法の拠点の1つである同州Khanishin地区に橋頭堡(ほ)を確保したと発表した。一方、同作戦で2日夜に米兵1人が死亡したことも明らかにした。

 海兵隊は、タリバンが拠点とする同州ガムシル(Garmsir)地区とナワ(Nawa)地区で作戦を展開。また、Khanishin地区でアフガニスタン軍と共同作戦を展開している。海兵隊によると、2日夜までに目標の半数を制圧したという。

 アフガニスタン軍司令官のShair Mohammad Zazai将軍は、作戦開始後から数時間でKhanishin南部の主要都市に突入したが、タリバン勢力はすでに逃走しており、抵抗は一切受けなかったと話した。タリバン支配下のヘルマンド州には麻薬の生産地域がいくつかあり、パキスタンとの国境付近にあるKhanishinはその1つ。

 アフガニスタンにおけるタリバンとの戦いは現在、膠着状態に陥っているが、8月に行われる同国大統領選挙を前に、米国は今回の作戦で形勢を一変させたい考えだ。治安維持が米軍の新戦略の柱の1つとなっており、海兵隊とアフガニスタン軍は制圧地域の地元住民に対し、治安目的でしばらく駐留する旨、理解を求めているという。(c)AFP/Ben Sheppard