【6月30日 AFP】イラク駐留米軍は30日までに都市部からの撤退を完了した。これを記念して祝日となった29日、イラクはお祭りムードに包まれた。

 首都バグダッド(Baghdad)最大のザウラ公園(Zawra Park)では、国外で活動するイラクの人気ミュージシャン、サラハ・ハッサン(Salah Hassan)さん、カシーム・スルタン(Kassem Sultan)さん、アブド・ファレク(Abed Falek)さんらが参加するコンサートなどのイベントが開かれた。ステージには「イラクは主権と独立を回復した」と書かれた横断幕が見える。

 20歳の青年、アフメド・アリさんは「(米軍がイラクに侵攻した)2003年以降、一度もパーティーに行けなかったけど、やっと大好きなミュージシャンのライブが聴けた」と喜ぶ。

 一方、イラクの軍と警察は引き続き厳重な警戒態勢をとっている。コンサート会場に入場するまでには3重のセキュリティーチェックを通過する必要があるが、歓喜にわく市民らの間から苦情は出ていない。それどころか、警備にあたる警察官らも、聴衆とともにダンスの輪に加わっている。
 
 7月1日以降、イラクの都市や町村部の治安権限は全てイラクの軍と警察に移る。訓練支援や助言を行う少数を除き、イラクに駐留する約13万1000人の米兵の大部分は別の場所に移される。

 イラクと米国の間で前年に合意した地位協定は、駐留米軍の完全撤退期限を2011年末と定めた。このほか、イラクでの作戦実行にあたっては、米軍司令官にイラク当局から許可を受けることを義務付ける一方で、米軍は自衛権を保持するとしている。(c)AFP/Ammar Karim