【6月16日 AFP】マフムード・アフマディネジャド(Mahmoud Ahmadinejad)大統領が圧勝したイラン大統領選に抗議してイランの首都テヘラン(Tehran)で行われていた大規模抗議デモで15日、デモ隊と当局側が衝突し、目撃者によると参加者の1人が撃たれて死亡、数人が負傷した。

 イラン人カメラマンが匿名を条件にAFPに語ったところによると、発砲があったのはイスラム防衛民兵部隊「バシジ(Basij)」のテヘラン基地正面で、バシジ側が発砲したという。死亡した参加者は頭を撃たれていたという。

 現場をとらえた写真には、ヘルメットをかぶり武器を持った私服の男たちが、施設屋上から群衆に向けて銃を構える姿が写っている。カメラマンによると、参加者はこの男たちからの発砲で死亡したという。

 現地のAFP記者も、警察が抗議デモ参加者と衝突し、群衆が逃げていく様子を目撃したと語った。また、複数の銃声が聞こえ、市内中心部の広場上空には黒煙も見えたという。

 数十人のデモ参加者が、バイクやタイヤ、ごみ箱に放火するなどし、警官隊は催涙ガスで鎮圧にあたっている。

 複数の目撃者がAFP記者に語ったところによると、抗議集会の終わりごろ、武装した私服の男たちが人びとに向け銃を発砲し、衝突に発展したという。この私服の男たちは警察の人間には見えなかったという。

 大統領選結果に対する抗議デモが拡大する中、選挙監視の最高機関にあたる護憲評議会(Guardians Council)はまもなく、ミルホセイン・ムサビ(Mir Hossein Mousavi)元首相が不正があったと申し立てている問題について、判断を示すと発表した。(c)AFP/Farhad Pouladi and Jay Deshmukh