【5月28日 AFP】(一部更新)パキスタンのラホール(Lahore)の警察施設付近で27日起きた自動車爆弾による自爆攻撃で、イスラム原理主義組織タリバン(Taliban)系の組織が犯行声明を出した。米民間情報機関「サイト・インテリジェンス・グループ(SITE Intelligence Group)」が明らかにした。

 これに先だって当局は、同国が行っているタリバン掃討作戦に対する報復行為との見方を示していた。

 捜査当局によると、27日の攻撃は、パキスタン情報機関「3軍統合情報部(Inter-Services IntelligenceISI)」のパンジャブ(Punjab)州本部脇にある警察関連施設前で、3人が銃を発砲、手投げ弾1発を投げた。その後、爆発物を積み込んだ車両が爆発したという。

 治安当局幹部がAFPに語ったところによると、警官13人、ISI職員1人を含む24人が死亡したという。

 ここ数か月にラホールで起きた死者を伴う爆弾攻撃は3回目。タリバンの攻撃による同国全土での犠牲者は過去2年以内で1800人を超えており、今回の攻撃は、その勢力の広がりを示している。

■タリバン系組織が犯行声明

 SITEによると、パキスタンの「Tehrik-i-Taliban Punjab」と名乗るタリバン系グループが27日、ラホールでの自爆攻撃に対する犯行声明を出した。

 同グループは「Elif Media」という組織を通し、トルコ語の犯行声明をトルコのイスラム過激派組織のウェブサイトに掲載。声明では、ラホールにある「悪の巣窟」をターゲットにした攻撃で、スワト(Swat)渓谷でパキスタン軍の攻撃にさらされているイスラム聖戦士に対する「ささやかな贈り物」だと主張しているという。

 犯行声明では100キロの爆発物を積んだ車がパンジャブ州の州都ラホールの警察施設の前で爆発し、施設を破壊し、数百人が負傷したと述べている。サイト・グループによると、同グループはパキスタンのイスラム教徒に対し、「敵が搾取を行っている場所」に近づかないよう呼びかけているという。(c)AFP