【5月21日 AFP】スリランカ内戦の混乱に常時、同国の避難民キャンプから子どもたちが誘拐されていると、英人権団体「子ども兵士の徴用廃止を目指す連合(Coalition to Stop the Use of Child Soldiers)」が21日、警告した。

 スリランカ政府軍と反政府勢力「タミル・イーラム解放のトラ(The Liberation Tigers of Tamil EelamLTTE)」の戦闘が激化した、同国北部ワウニア(Vavuniya)にある民間人の避難キャンプから、子どもたちが誘拐されているとの確証が、同連合に寄せられているという。

 また、子どもたちの多くは12歳前後で、LTTEには合流せずに政府軍側についたタミル人の準軍組織によって連れ去られ、誰がLTTEの子ども兵士かを把握するために使われたり、またはLTTEの子ども兵士自体を根絶やしにするために誘拐されているという。

 避難民らのキャンプは政府軍が厳重に警備しているが、政府軍に合流した民兵のグループは、自由に出入りできるようになっている。

 同連合の広報担当者は英BBC放送に答え、「動機はいまひとつはっきりしない。身代金目的で誘拐された子どももおり、避難した母親が宝飾類などを持っていれば、キャンプ内で即座に解放交渉が成立している場合もあるかと思えば、LTTEとの関連について尋問されるために誘拐されている子どももいる。彼らの場合は、LTTEの元少年兵だと疑われてさらわれている」と語った。

「子ども兵士の徴用廃止を目指す連合」は、国際人権監視団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ(Human Rights Watch、HRW)」や「アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)」など複数の団体から成る国際組織。(c)AFP