【5月13日 AFP】スリランカの反政府勢力「タミル・イーラム解放のトラ(Liberation Tigers of Tamil EelamLTTE)は12日、政府軍が同日LTTEが占拠しているMullivaikalの仮設病院を砲撃し、ここ数週間に政府軍の攻勢から逃れてきた民間人少なくとも47人が死亡したとして政府軍を非難した。

 LTTEのS. Puleedevan報道官は「12日朝、重火器と迫撃砲で病院が攻撃され45人が死亡した。その多くが10日の攻撃の負傷者だった」と述べた。

 LTTE系ウェブサイト「タミルネット(Tamilnet.com)」は、その後死者の数は47人に増え、病院にいた患者55人が負傷したと伝えた。LTTEは10日に行われた同様の攻撃で、民間人2000人以上が死亡したとしている。

 スリランカの主要政党の1つでタミル人穏健派の「タミル統一解放戦線(Tamil United Liberation FrontTULF)」のビーラシンハム・アナンダサンガリ(Veerasingham Anandasangari)党首も民間人に死者が出たことを確認したが、政府に攻撃を止めて現地への医療チーム派遣など死傷者に対する速やかな支援を求めるにとどめ、政府批判は避けている。

 スリランカ政府による攻撃には、欧州連合(EU)が国連安全保障理事会(UN Security Council)に行動を呼び掛け、米国がスリランカ政府に重火器を使用しないよう求めるなど、国際的な非難が高まっている。

 しかし、スリランカ国防相は、民間人に犠牲者が出た責任は「民間人安全地域」と宣言された地域内で重火器を使用したLTTE側にあると非難している。一方、政府軍は、軍は重火器を使用しておらず、LTTEは民間人を「人間の盾」にして、逃げ出した人を銃撃していると主張している。(c)AFP/Amal Jayasinghe