【5月12日 AFP】イラクの駐留米軍基地で11日、米兵が銃を発砲し、同僚兵士5人が死亡、少なくとも3人が負傷する事件があったと米国防総省が発表した。

 事件があったのはバグダッド(Baghdad)の米軍基地「キャンプ・リバティ(Camp Liberty)」内にある戦争ストレスを抱える兵士向けのメンタルケア施設。

 事件については、現在、詳細を調査中で概略しか明らかになっていないが、この米兵は駐留米軍に身柄を拘束されている。また米テレビ報道によると、米兵は取り押さえられる前に、銃を自分に向け、自殺を図ろうとしたという。

 ロバート・ギブズ(Robert Gibbs)米大統領報道官は、バラク・オバマ(Barack Obama)大統領は、事件に衝撃と悲しみを感じていると同時に、各メディアがわれわれに事実を正確に伝えることを期待しているとの声明を発表した。

 イラクでは、前月10日に北部モスル(Mosul)で起きた自爆テロで米兵5人が死亡しているが、今回の発砲事件はこれ以来、1日の米兵犠牲者数としては最大となった。

 戦場ストレスに悩む米兵による同僚殺害は、今回が初めてではない。前年9月14日にもバグダッド南部の基地で、米軍曹が上官2人を射殺する事件が起きている。

 米軍のウェブサイトによると、イラク駐留米兵の約5人に1人がPTSD(心的外傷後ストレス障害)を抱えているという。(c)AFP/Benjamin Morgan