【4月27日 AFP】パキスタン政府は26日、政府軍が北西辺境(North West Frontier)州マラカンド(Malakand)地域ローアー・ディール(Lower Dir)地区でイスラム原理主義組織タリバン(Taliban)に対する掃討作戦を実施し、同地をほぼ掌握したと発表した。

 政府軍兵士がタリバンの待ち伏せ攻撃で殺害されたため、掃討作戦を開始し、「多数の」タリバン戦闘員を殺害したという。軍によれば、少なくともタリバン戦闘員26人の死亡が確認された。

 同地区は、イスラム法(シャリア)導入地域の1つ。パキスタン政府は2月、元はスキーリゾート地だったスワト渓谷(Swat Valley)など、約300万人が暮らす北西辺境州の一部にシャリア導入を認め、タリバンとの和平協定に調印した。和平協定により、約2年に及ぶタリバンとの戦闘に終止符が打たれると期待されたが、実際はタリバン勢力が同地域を囲い込むかたちとなっていた。

 こうした状況に、米国などはパキスタンの治安部隊に対して、タリバンの勢力拡大を防ぐこともせず放任しているとの批判を強めていた。

 一方、和平協定に調印した親タリバン派の地元武装勢力指導者スーフィ・モハマド(Soofi Mohammad)師は26日、政府軍によるタリバン攻撃を「協定違反だ」と非難する声明を発表した。(c)AFP