【4月22日 AFP】スリランカで22日、大勢の住民が避難できずに取り残されているとの国際社会からの警告にもかかわらず、スリランカ軍が反政府勢力「タミル・イーラム解放のトラ(Liberation Tigers of Tamil EelamLTTE)」への掃討作戦を続行する中、LTTEの主要幹部2人が投降した。

 投降したのは、LTTEの主要な対外窓口を務め「Daya Master」の呼び名で知られたVelayudam Dayanidi広報担当と、LTTEの政治部門トップ、S.P.タミルセルバン(S. P. Thamilselvan)氏。

 また、スリランカ軍によると、LTTEが今もなお支配を続ける地域から、住民10万人以上が避難した。また、国防省は、スリランカ軍は避難できずにいる住民を攻撃しておらず、「救助活動を行っている」と語った。スリランカ軍は、LTTEが「人間の盾」として住民を人質に取り、避難する住民を銃撃していると主張している。

 軍によると、避難する住民の中にLTTEメンバー3000人がいたという。

 赤十字国際委員会(International Committee of the Red CrossICRC)のピエール・クレーヘンベール(Pierre Kraehenbuehl)事業局長によると、LTTEの支配地域には、まだ数万人の住民が取り残されている可能性がある。また、避難民のための救助施設が足りなくなっているという。

 国連(UN)によると、避難が始まる前、LTTEの支配地域には住民15万人が取り残されていた。(c)AFP/Amal Jayasinghe