【4月18日 AFP】中東を訪れている米国のジョージ・ミッチェル(George Mitchell)中東和平担当特使は17日、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)のラマラ(Ramalla)で、マフムード・アッバス(Mahmud Abbas)パレスチナ自治政府議長と会談し、「2国家共存が唯一の解決策」であり「包括的な中東和平が米国の国益」との考えを改めて強調した。

 一方のパレスチナ側は、議長側近のサエブ・アリカット(Saeb Erakat)パレスチナ解放機構(PLO)交渉局長が会談後、「(イスラエルのベンヤミン・)ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)政権が2国家共存への支持を明確に確約し、中東和平ロードマップに沿って過去の合意事項を順守しない限り、パレスチナに和平のパートナーはいない」と述べた。

前月末に発足したイスラエルの右派新政権のネタニヤフ首相は、米国が後押しし前政権が進めてきた「2国家共存」を原則とする和平交渉から距離を置き、過去の合意事項にも異議を唱えている。

 ミッチェル特使はアッバス議長との会談に先立って16日、ネタニヤフ首相とエルサレム(Jerusalem)で会談し、2国家共存を支持する米国の立場を強調したが、イスラエル側はパレスチナが先にイスラエルをユダヤ人国家として認めるよう要求。アビグドル・リーバーマン(Avigdor Lieberman)外相が、これまでの中東和平交渉はすでに行き詰まっており新たなアプローチが必要だと述べるなど、和平交渉は暗礁に乗り上げた状態だ。(c)AFP/Nasser Abu Bakr