【2月27日 AFP】米国防総省は26日、イラクやアフガニスタンで戦死した米兵の棺(ひつぎ)が本国へ帰還する場面の写真撮影について、規制を解除すると発表した。

 ロバート・ゲーツ(Robert Gates)米国防長官は、米デラウェア(Delaware)州ドーバー空軍基地(Dover Air Force Base)に運ばれる星条旗に包まれた戦死者の棺の写真撮影について、遺族の同意を条件に許可することを決定した。

 この報道規制は、ジョージ・ブッシュ(George H.W. Bush)元大統領の政権下で、1991年の湾岸戦争の最中に始まった。

 儀仗(ぎじょう)兵が軍輸送機から棺を運び出す場面は、ベトナム戦争(Vietnam War)の苦い経験の象徴となり、戦死者が増えていく様子をまざまざと思い起こさせるものだった。

 米CNNテレビと調査会社Opinion Research Corporationが26日に発表した世論調査によると、棺が帰還する場面の写真や映像が公開されるべきとの回答は67%に上り、米国人の多数がこの報道規制の解除を支持していることがわかった。

 ゲーツ長官は今月、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領からの要請で、規制解除の検討を国防総省に指示していた。その際、長官は「個人的な見解としては、家族の同意が得られ、プライバシーへの配慮がなされるのであれば、戦没した英雄たちの栄誉をたたえる機会を増やすことは良いことだ」と語っていた。(c)AFP