【2月6日 AFP】スリランカ最大の都市コロンボ(Colombo)で6日、群集200人あまりが赤十字国際委員会(International Committee of the Red CrossICRC)の事務所を囲み、「赤十字は帰れ」などと叫んで投石した。スリランカ政府は、反政府勢力「タミル・イーラム解放のトラ(Tamil TigerLTTE)」と政府軍との戦闘に巻き込まれた民間人犠牲者数を、国際赤十字が誇張し不安をあおっていると非難している。

 国際赤十字の報道官によると、負傷者はいないが、窓ガラス数枚が割られたという。

 赤十字事務所は、厳重な警備が敷かれた政府閣僚の公邸に隣接した位置にある。

 スリランカ政府の報道官は、投石事件の後も、赤十字が政府軍とLTTEの戦闘が続く北東部で使用する遺体袋を、3万5000袋も発注したと批判。「3500袋でも多すぎる。赤十字は明日にでも注文を取り消すかもしれないが、国際社会で精神的恐怖を増殖しようとしている」と主張した。

 赤十字は前週、政府軍とLTTEとの戦闘に巻き込まれて死亡した民間人は数百人に上るとの声明を発表したが、スリランカ政府は否定している。

 赤十字は、政府軍とLTTEとの戦闘の最前線の北東部で、中立的な立場からLTTEの戦闘員の遺体を搬送している。

 北東部では6日も、政府軍がLTTEの拠点を次々と攻略しており、LTTEの戦闘員らはムライティブ(Mullaittivu)の沿岸密林地帯に追い詰められている。(c)AFP/Amal Jayasinghe