【1月15日 AFP】(一部更新、写真追加)パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)で15日、ガザ市(Gaza City)内の国連パレスチナ難民救済事業機関(UN Relief and Works AgencyUNRWA)施設がイスラエル軍の砲撃を受け、職員3人が負傷した。このほか、同市内のメディア拠点やガザ南西部の病院も、イスラエル軍の攻撃を受けた。

 現地のUNRWA職員によると、砲撃で人道支援物資数百トンを保管している倉庫が炎上したが、その他の施設は壊滅的な被害は免れた。被弾に伴いUNRWAは、同施設での業務を一部停止した。

 UNRWAのクリストファー・グネス(Christopher Gunness)報道官はエルサレム(Jerusalem)で、砲撃をうけた際、UNRWA施設内にはパレスチナ難民数百人あまりがいたと語った。

 砲撃があったのは潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)国連事務総長がイスラエル入りした直後だった。潘事務総長はガザでの停戦に向けたイスラエル政府高官らとの協議後の記者会見で、「強い抗議と怒り」を表明し、UNRWA施設砲撃の説明をイスラエル側に求めた。さらに、ガザでの戦闘による死者が1100人近くに達していることを指摘し、「忍耐の限界を超えている」と懸念を示した。

 今回の砲撃に先立ち、UNRWAに隣接する建物にもイスラエルの砲弾が着弾し、UNRWA施設の一部が損傷している。ガザ中心部のUNRWA施設の近くには、イスラム大学(Islamic University)の校舎がある。

 また、ガザ中心部の複数のメディアが入居するビルが、イスラエル軍の攻撃をうけ、カメラマン2人が負傷。このほか、南西部タルアルハワ(Tal al-Hawa)近郊で、イスラエル軍戦車隊とパレスチナ側の戦闘員との戦闘があり、アルクッズ(Al-Quds)病院も砲弾を受けた。
 
 砲撃による火災は消し止められ、負傷者は出なかったが、当時、病院には、市民ら数百人が戦闘を逃れて避難していたという。(c)AFP