【12月26日 AFP】ソマリア沖での海賊対策にあたる中国の海軍艦艇3隻が26日、アフリカ沖に向けて出航した。新華社(Xinhua)通信が報じた。

 新華社によると、最新鋭のミサイル駆逐艦「武漢(Wuhan)」「海口(Haikou)」と補給艦「微山湖(Weishanhu)」は、総勢水兵1000人あまりを乗せ26日午後1時50分(日本時間午後2時50分)、海南島(Hainan Island)の海軍基地を出港した。

 3隻は、他国軍艦とともに、スエズ運河(Suez Canal)航路の一部となるアデン湾(Gulf of Aden)を通航する船舶の護衛活動にあたる。派遣期間は、少なくとも3か月間以上となる見通しだ。

 出港に先立ち行われた式典で、呉勝利(Wu Shengli)海軍司令官は「中国がわが国の戦略的国益の保護を目的に軍を海外に派遣するのは初めてであり、海軍が母国からはるか離れた航路を守るという国際人道活動に従事するのも初めてのことだ」と派遣の意義を述べた。

 ソマリア沖への軍艦派遣で、これまで中国沿岸の防衛や、友好目的での海外寄港を主としてきた中国海軍の活動に、新たな1ページが加わることになる。

 中国の軍艦は、2002年になるまで地球を周航したことはなかった。また、歴史上最後に中国の軍艦がアフリカ海域で戦闘行為を行ったのは、15世紀に明王朝(Ming Dynasty)がアフリカ大陸に艦隊を派遣した時だと言われている。

 近年、アジアと欧州をつなぐ航路の要所であるアフリカ沖で、商船を狙った海賊が多発し、中国の船舶も被害を受けていることから、同海域に軍艦を派遣する国際的な動きに中国も加わることになった。(c)AFP/Peter Harmsen