【12月2日 AFP】ナイジェリア中部プラトー(Plateau)州の州都ジョス(Jos)で、選挙結果をめぐりキリスト教徒とイスラム教徒の住民が衝突し数百人が死亡した事件を受け、州議会の下院議長は1日、市内のモスクを訪れ、イスラム教指導者らに対し平静を求め、宗教対立をやめるよう訴えた。

 衝突は前月28日から29日にかけて、現地で行われた選挙でイスラム教系の全ナイジェリア国民党(All Nigerian Peoples PartyANPP)がキリスト教系の国民民主党(People's Democratic PartyPDP)に敗北したとのうわさが発端となって起きた。

 ディメジ・バンコレ(Dimeji Bankole)州下院議長が演説を行ったモスクには、イスラム教徒の若者たち2000人が押しかけ、州政府は(衝突の責任をとって)総辞職しろと叫んだが、イスラム教指導者らに制止され、モスクは封鎖された。

 イスラム諸国会議機構(Organisation of the Islamic ConferenceOIC)も、市民に対し、自制を呼びかけている。エクメレディン・イフサンオウル(Ekmeleddin Ihsanoglu)事務局長は、暴力の停止と対話による解決を求める談話を発表した。

 市内各所には数千人の兵士と警官が配備され、通行人を監視している。
 
 同州当局者によると、市内は落ち着きを取り戻しつつあり、市内4地区に出されていた24時間の外出禁止令は、1日までに市内全域の夜間外出禁止令に緩和された。2日にはさらに緩和される可能性もあるという。

 州政府は、この衝突による死者数を200人程度と発表しているが、他の消息筋によると実際はその倍に上るという。(c)AFP/Aminu Abubakar