【11月29日 AFP】ケニア東部沖でサウジアラビアの大型タンカー「シリウス・スター(Sirius Star)」(31万8000トン)が海賊に乗っ取られた事件で、海賊側が要求した身代金の支払期日が翌日に迫った29日、海賊のリーダーがAFPの取材に応じ、「好ましい」回答が得られることを期待していると述べた。

 海賊は15日にシリウス・スターを乗っ取り、サウジの船主に対し、30日までに身代金を支払うよう要求している。

 海賊のリーダーはAFPに対し、「身代金2500万ドル(約24億円)の支払期限が迫っているが、好ましい回答が得られると期待している。われわれはタンカーだけでなく、ハラデレ(Harardhere)一帯も掌握している。何か悪いことが起きて欲しくはない」と語った。ハラデレはソマリア北部の沿岸の村で、シリウス・スターはその沖合いに停泊している。

 ロイズ保険(Lloyd's)のポートソーケン卿ピーター・レビーン(Lord Peter Levene of Portsoken)会長は先日、英民間放送「チャンネル4(Channel Four)」のインタビューで、シリウス・スターの船主が身代金を支払う可能性は高いとの見方を示し、「人命を失わないためには、結局それ以外に方法はない」と述べた。

 専門家の間では、ソマリア国内で無数の氏族やイスラム系組織、さらにエチオピア軍とソマリアの軍を巻き込んで続いている戦闘が終わらない限り海賊問題は解決しないとの見方が強い。(c)AFP