【11月28日 AFP】(写真追加、一部更新)インド・ムンバイ(Mumbai)で起きた同時襲撃事件で、武装グループが人質を取って立てこもっているユダヤ教関連施設の入ったビル、ナリマンハウス(Nariman House)に28日朝、特殊部隊がヘリコプターで降下、建物内に突入した。AFP記者が目撃した。

 まず7人の特殊部隊員が屋上に降下し、その後に爆発音が聞こえた。ヘリコプターは続けてさらに10人の隊員と武器類を降下させた。建物内部からは断続的に爆発音と激しい銃撃の音が聞こえている。内部にいる武装グループは3人とみられているが、イスラエル人を含む人質の人数は不明。

 ナリマンハウスはムンバイ市内で武装グループが立てこもっている場所の1つで、住宅密集地にあるオフィス兼住宅ビル。ユダヤ教ルバビッチ(Lubavitch)派の宗教施設や学習センターなどが入っている。近隣の建物からは人びとが避難し、少し離れた建物の屋上から様子を見守っている。

 一方、ムンバイ警察は同日、一連の襲撃事件での死者が130人になったと発表した。また、当日朝の時点でタージマハル・ホテル(Taj Mahal Hotel)内に負傷した武装グループ1人が、トライデント・ホテル(Trident Hotel、旧オベロイホテル)に2人が、依然立てこもっていることを明らかにした。

 また、警察は事件発生から36時間以上が過ぎた28日午後、軍と警察の救出作戦によって少なくとも93人をトライデントホテルから救出したと発表した。そのほとんどは外国人で赤ちゃんや手荷物を抱えていた人もいたが、ほとんどは着の身着のままだった。脱出した人びとは現場近くに待機していたマイクロバスに乗り込みその場を走り去った。(c)AFP