【11月28日 AFP】(一部更新)インドのムンバイ(Mumbai)市内で武装グループが高級ホテル2か所や鉄道駅、レストランや病院など10数か所を襲撃した事件で27日、治安部隊は武装グループが立てこもりを続けるホテルとユダヤ教関連施設で救出作戦を実施した。今回の事件で、これまでに125人以上が死亡し、327人が負傷した。

■特殊部隊がタージマハル・ホテルを制圧

 軍高官によると、タージマハル・ホテル(Taj Mahal Hotel)の制圧に成功したという。これに先立ち警察当局は同ホテルの人質は全員救出され、救出作戦は「ほぼ完了した」(国家治安警察隊幹部)と語っていた。

 一方、上階で大規模な火災が発生したオベロイ・トライデント・ホテル(Oberoi/Trident Hotel)では、ムンバイ警察当局によると武装グループの銃撃開始から客室内に隠れていた外国人を含む約40人が救出された。

 ユダヤ教関連施設の入った事務所兼住宅建物でも救出作戦が開始された。ユダヤ人ラビ(ユダヤ教聖職者)と家族を人質にして武装グループが立てこもりを続けている。


■死者は外国人9人含め125人以上に

 ムンバイ警察のHassan Gafoor署長は、これまでに125人以上が死亡しており、「状況は非常に流動的で、死者数はさらに増える可能性もある」と語った。

 PTI通信は、病院関係者の話として、日本、オーストラリア、英国、ドイツ、イタリア国籍の外国人9人が死亡したと伝えた。

 また、米国、フランス、イスラエル、カナダ国籍の外国人が、現在もホテル内で拘束されているか、または客室に閉じ込められているとみられている。

 警察によると、武装グループのうち少なくとも5人を射殺し、1人を拘束した。また、治安部隊隊員14人が死亡した。

■インド高官はパキスタン過激派の関与を主張

 ホテルで作戦を指揮する軍高官は、武装グループがパキスタン出身だと主張しているが、パキスタン国防相は事件との関連性を否定した。

 一方、PTI通信(Press Trust of India)によると、インド政府高官らは2001年にインド議会を襲撃したことで知られるパキスタンのイスラム過激派組織「ラシュカレトイバ(Lashkar-e-Taiba)」の犯行と主張している。同通信はパキスタン国籍の武装グループ戦闘員が拘束されたと伝えている。(c)AFP/Phil Hazlewood