【11月27日 AFP】インド・ムンバイ(Mumbai)で発生した、鉄道駅や高級ホテルを狙った同時襲撃事件で、現場の1つであるタージマハル(Taj Mahal)ホテルに宿泊していた人びとが、現場の様子を生々しく語った。

「生涯最悪の出来事だった」と話す宿泊客の女性は、人質をとった襲撃犯と突入してきたインド海軍特殊部隊がホテル内を移動しながら銃撃戦を展開している間、ほかの25人の客とともに客室内の床に伏せていたという。

「とても苦しい6時間だったわ。何が起きているのか、まったくわからなかったけれど、兵士がホテルに突入してきたことはわかった。銃撃や爆発の音がしたから」。この女性は、消防隊が破った客室の窓からはしごで脱出したという。

 午前6時現在も、ホテルには襲撃犯が数人の人質をとって立てこもっているが、あるテレビ局が電話取材を行った女性は、約35人の人質とともに同ホテルの1室に閉じ込められていると語った。この女性は小声で、「撃たれた。男性1人が腹部を撃たれている。息が荒くなっており、病院に搬送する必要がある」と話した。この女性は、夜間に治安部隊から室内の人質にコンタクトがあったとも話した。

 火災時の避難設備を使って18階の客室から逃げてきたという別の宿泊客の男性は、「煙が激しくて周りは何も見えなかったが、爆弾の爆発する音が複数回聞こえた」と語った。

 タージマハルホテルには、スペイン州知事と欧州議会の英国議員も滞在していた。英国のSajjad Karim欧州議会(European Parliament)議員は英国放送協会(BBC)に、「機関銃のような武器を持って歩く男を目撃した。男は銃を発砲して、わたしのすぐ隣にいた人たちが床にたたきつけられた」と話した。

 ホテルから逃げてきた宿泊客の1人は、武装グループについて「とても若く、少年のような外見をしたジーパンにTシャツ姿」のメンバーが2人いたこと、彼らは英国または米国のパスポートを持っている客を探していたことなどを証言している。(c)AFP/Phil Hazlewood