2025年の世界は核兵器の脅威高まる、米報告書
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【11月21日 AFP】米国家情報会議(National Intelligence Council、NIC)は20日、核兵器が実際に使用される危険が2025年に向けて一層高まるとした報告書を発表した。
NICは『Global Trends 2025 - a Transformed World(2025年の世界動向 ― 変化した世界)』と題された報告書のなかで、近い将来の世界は、食糧や水などの資源をめぐり紛争の危機が高まるうえ、「ならず者国家」やテロ組織が核兵器を入手する危険にさらされると警告し、出生率や貧富の格差の拡大、気候変動がもたらす不均衡が緊張をさらに高めていくと結論づけた。
さらに、アフリカや南アジアではいくつかの国が消滅し、中央ヨーロッパでは国家機能を犯罪組織に乗っ取られる国が現れ、核の拡散により核兵器が使用されるリスクも増すとしている。
特に報告書は、核兵器につながる核開発や核技術の獲得に関心を示す国が多い中東地域で、軍核競争が激化する危険性を指摘。「イランの核開発プログラムに関する反応として今後15~20年の間に、イランの周辺国が核兵器の入手に走る恐れがある」と警鐘を鳴らす。
さらに、中東諸国が核武装した場合、米ソ冷戦時代にみられたような戦争を抑止する外交関係が構築されるかどうかは不透明で、むしろ核兵器を手にした「安心感」から、これらの国が低強度紛争、テロ、通常兵器による攻撃を起こしやすくなる恐れさえあると指摘した。
核を持つ国が現在よりも増えれば、他国やテロリストに核兵器を供与する国が現れる可能性が増すだけでなく、核兵器、核物質、核技術の盗難リスク、さらにこれらを不法に入手した組織が核兵器を使用する危険性も高まると報告書は警告している。(c)AFP/Jim Mannion