【11月19日 AFP】国連食糧計画(World Food ProgrammeWFP)は17日、アフガニスタン国内で食糧を必要とする人びとに届けるはずの食料品のうち、今年に入って約84万ドル(約8100万円)相当が紛失していると発表した。

 WFPの声明によると、アフガニスタン国内におけるWFPの輸送トラックに対する攻撃は、2008年1月から11月中旬までに、25回に上っており、52万ドル(約5000万円)相当の約870トンの食糧が失われているという。

 また、このほかにも、32万ドル(約3000万円)相当の610トンの食糧が、アフガニスタンへの輸送ルート上にあるパキスタン北西部の国境地帯で失われているとしている。

 WFPは、攻撃の首謀者を明確に指摘していないが、攻撃の大部分は、イスラム原理主義組織タリバン(Taliban)などを含む武装勢力や盗賊などによるものとみられている。

 WFPによると、アフガニスタンでは、食糧価格高騰や干ばつ、貧困などによって約900万人が食糧援助を必要としているという。だが、不安定な治安情勢によって食糧の輸送が困難な状況となっている。

 声明は「情勢の悪化が続いていた南部および南西部地域だけでなく、今や東部や中部地域の一部でも治安が悪化し、WFPの食糧支援が妨害または遅れる可能性が出ている」としている。

 WFPは、冬に入る前に、アフガニスタンで食糧を必要としている約95万人の人びとに対し、当初計画していた3万6000トンのうち約2万3000トンしか届けることができなかったとしている。(c)AFP