【11月11日 AFP】(一部訂正)ナチス(Nazi)の戦争犯罪を追跡しているドイツ各州検察庁の合同機関「ナチス戦犯追及センター(Fahndungsstelle fuer NS-Verbrechen)」は10日、ポーランドにあったナチスの強制収容所の元看守で、米国在住の男性について起訴に十分な証拠を得たと発表した。

 同センターの調べによると、ウクライナ出身で米国在住のイワン・デムヤンユク(Ivan Demjanjuk)氏は、1943年3-9月にポーランドのソビブル(Sobibor)絶滅収容所の看守を務めていた。

 1950年代に米国に移住し名前をジョン(John)に改名したデムヤンユク氏の身元は「100%」確定したと同センターのクルト・シュリム(Kurt Schrimm)首席検事はAFPに語った。

 デムヤンユク氏は1986年、イスラエルに引き渡され、2年後にトレブリンカ(Treblinka)の収容所でユダヤ人数千人の殺害に加担したとして死刑判決を受けた。

 しかし1993年、イスラエルの最高裁は証拠不十分として判決を覆し、デムヤンユク氏は米国に戻った。同氏は戦争時の活動について虚偽の申告をしたとして米国の市民権をはく奪された。

 シュリム首席検事はソビブル時代のデムヤンユク氏の最新の調査はイスラエルでの裁判とは無関係だと述べた。(c)AFP