【10月27日 AFP】イラク政府は27日、米軍部隊が26日にシリア東部のイラク国境の村を攻撃し、民間人が死亡した事件について、イラク国内への攻撃を計画していた武装勢力を狙ったものだったとの見方を示した。この事件についてシリア政府は、米軍による非情な戦争犯罪だと非難している。

 シリア国営放送などによると、イラク領内を出発した米軍のヘリコプター部隊が26日、イラク国境から8キロ離れたシリアのSukkiraya村を攻撃し、民間人8人が死亡した。

 翌日、イラク政府のアリ・ダバグ(Ali al-Dabbagh)報道官は「シリア国境沿いの攻撃に関する報告について、イラク政府は米国と連絡を取っている。この地域ではシリア領内を足がかりにイラク政府への抵抗を展開している武装勢力が活動している」との声明を発表した。

 シリアの国営メディアはこの越境攻撃について、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米政権の「戦争犯罪」だと表現している。シリア政府系紙ティシュリン(Tishrin)はこの事件は「ブッシュ政権の愚かさを示すものだ」と論じた。

 米国防総省の報道官を務めるダリン・ジェームズ(Darryn James)中佐は、同省側の反応はないと述べた。(c)AFP/Ammar Karim