【10月15日 AFP】(一部更新)カンボジアの遺跡として7月に国連(UN)の世界遺産に登録されたプレアビヒア寺院(Preah Vihear Temple)付近のカンボジア・タイ国境地帯の領有権をめぐる両国間の対立が激化し、同国境地帯で15日、両国軍の間で銃撃戦となり、カンボジア兵2人が死亡2人が負傷、タイ兵5人が負傷した。

 銃撃戦は午後2時20分(日本時間午後4時20分)ごろ、プレアビヒア寺院から数キロしか離れていない国境地帯の多数の場所で起きた。タイ軍報道官によると、銃撃戦は2時間以上にわたって散発的に続いた。

 カンボジア軍は現地のAFP記者に対し、「タイ軍がわれわれの領地に進入した。激しい銃撃戦だった」と語り、最初に発砲したのはタイ側だったと非難した。

 これに対し、タイのソムポン・アモンウィワット(Sompong Amornviwat)外相は、「タイ側が衝突の引き金を引いたのではないと確実に言える。われわれは依然としてソムチャイ・ウォンサワット(Somchai Wongsawat)首相の方針に従っている」と主張し、首相が平和的な対話に向け努力していくと発表したことについて言及し、「状況が制御不能になるようなことはないと確信している」と述べた。

 現場のAFP写真記者によると、領有権が争われている複数の地域の1つで、駐留していたタイ兵士10人が降伏し、銃声がとどろく中、両手を挙げてカンボジア側に近づいていったというが、タイ軍はこれを否定している。(c)AFP/Tang Chhin Sothy