【9月27日 AFP】(一部更新、写真追加)シリアの首都ダマスカス(Damascus)南部で27日、自動車爆弾が爆発し、17人が死亡、14人が負傷した。同国の国営テレビ局が報じた。

 報道によると、自動車には200キロの爆発物が積まれていた。現場は首都の南部郊外Sayeda Zeinabに続く通りで、被害者はすべて通行中の民間人だった。過去12年間で最悪の攻撃の一つだという。

 攻撃の標的については不明だが、民間テレビ局は爆発が起きたのは検問所付近だったと伝えている。

 国営テレビは、テロ対策班が事件の捜査に乗り出したと報じた。

 国営シリア・アラブ通信(SANA)によると、シリア当局者は、爆発は人口過密地域で、朝の通勤ラッシュ時間帯の午前8時45分(日本時間午後2時45分)ごろに起きたと明らかにした。

 Sayeda Zeinabには、イスラム教の預言者ムハンマド(Prophet Mohammed)の孫娘の一人Zeinabの聖廟(せいびょう)があり、イラン、レバノン、イラクのシーア派(Shiite)教徒が多数巡礼に訪れる。SANAが24日に伝えたところによると、シーア派聖廟への巡礼は毎年4000万ドル(約42億円)規模の産業になっているという。

■2月以来の大規模な攻撃

 今回の事件は、今年2月にダマスカスで起きた自動車爆弾以来の大規模な攻撃で、シリアに大きな衝撃を与えている。

 2月の事件では、レバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラ(Hezbollah)のイマド・ムグニエ(Imad Mughnieh)指揮官が殺害された。ヒズボラは指揮官殺害はイスラエルによるものと非難しているが、イスラエル側は関与を否定している。

 一方、レバノン当局は22日、シリアが両国との国境地帯に配備している兵士を増員したと発表。これに対し、シリア側は国内の治安維持のためだと述べている。(c)AFP