【9月25日 AFP】アフガニスタンのアブドゥル・ラヒム・ワルダク(Abdul Rahim Wardak)国防相は24日、同国の旧支配勢力タリバン(Taliban)が冬前に再び攻勢を強める可能性が高いとの見通しを示し、パキスタンとの国境に潜伏する武装勢力に対抗するため米、アフガン、パキスタン各軍でつくる合同部隊の創設を改めて呼びかけた。

 米ワシントンD.C.(Washington D.C.)に拠点を置くシンクタンク、ヘリテージ財団(Heritage Foundation)を訪問したワルダク国防相は、「われわれはすでに今年最悪の戦闘を経験していると思っているが、冬が来る前にもう一度敵襲があると予想しなければならない」と述べた。

 また、「アフガニスタン国内のタリバン勢力の中に、外国人戦闘員が今までになく増えている。活動する州も拡大した」と指摘。「敵はより強く、より巧妙になっている」として、「入念な準備、よりよい訓練の実施、充実した資金と装備、新たな戦術、複雑な計画」などを例としてあげた。

 そのうえで、こうした巧妙な敵に対処するには「国際的な戦略」が不可欠だとして、武装勢力が潜伏しているアフガニスタン・パキスタン国境の両側で活動できる合同部隊を、アフガニスタン軍、パキスタン軍および北大西洋条約機構(NATO)が主導する国際治安支援部隊(ISAF)でつくるべきだとの考えを示した。

 国境地帯に潜伏する武装勢力をめぐっては、パキスタンが見て見ぬふりをしているとの批判があるが、ワルダク国防相は合同で国境地帯を監視し、関係各国の軍事的・法的な連携を強めることで、こうした疑念は払拭(ふっしょく)できるとしている。(c)AFP