【9月11日 AFP】米国同時多発テロから7年目を前に、米外交・安全保障の超党派NPOが9日、大量破壊兵器(WMD)攻撃の可能性を回避する政府の取り組みは十分とはいえないと評価した。
 
 10日正式に発行される超党派組織Partnership for a Secure AmericaPSA)の評価表は、米政府は米本土におけるそうした脅威の抑制や、国外における大量破壊兵器の広がりの阻止に全力を尽くしていないと表現し、全体的な評価を「C」とした。

 PSAの報告書では、米国同時多発テロから7年経過した現在も、テロリストによる新たな、大規模な米本土攻撃は現実的だと指摘し、「テロリストの手中に核兵器、化学兵器、生物兵器が渡ることは、わが国にとって依然、最大の脅威。こうした兵器や物質の管理に進展はあったものの、わが国は現在も非常にぜい弱だ」と警告している。

 また次期大統領は、米議会との緊密な連携の下にこうした兵器の流出を防ぐと同時に、米国内への持ち込みを抑止する努力を、最優先課題へと引き上げる必要があると主張している。

 PSAでは3つの奨励策として、政府内への大量破壊兵器対策担当職の新設、包括的戦略草案の策定、国際協力の強化を挙げた。

 米同時多発テロ独立調査委員会(9/11 Commission)は2004年、国際テロ組織アルカイダ(Al Qaeda)が米本土に対する大規模な攻撃をあきらめていない事実を把握した。またアルカイダなどの組織が核兵器や化学兵器、生物兵器といった大量破壊兵器の入手と使用を模索していたことも判明している。

 PSAは2001年9月11日の同時多発テロ後、大量破壊兵器の拡散とテロリズムに対する「極限の努力」を主張したハイレベルの委員会による勧告に従って結成され、同時多発テロ委員会の元メンバーのほか、ジミー・カーター(Jimmy Carter)政権から、ロナルド・レーガン(Ronald Reagan)、ビル・クリントン(Bill Clinton)政権までの安全保障専門家、幹部級外交官らが加わっている。(c)AFP