【9月11日 AFP】アフガニスタンとの国境に近い、パキスタン・北西辺境(North West Frontier)州のDir地区にある、イスラム教スンニ(Sunni)派のモスクで10日、午後の礼拝中に、武装勢力とみられる人物たちが複数の手投げ弾を投げ込んだ後、発砲し、少なくとも20人が死亡、30人が負傷した。地元当局者が明らかにした。

 治安当局高官はAFPに対し「武装勢力の戦闘員たちはモスクを取り囲み、手投げ弾を投げ込んだ後、無差別に発砲した。20人が死亡し、30人が負傷した」と語った。被害者の中には子どもも含まれているという。

 警察によると、現場のモスクではイスラム教の断食月「ラマダン(Ramadan)」の特別な礼拝が行われており、モスク内は満員だった。

 地元の治安当局者は、今回の攻撃は宗派対立ではないとの見方を示している。この当局者によると、事件のあった地区は、パキスタン軍が国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)やイスラム原理主義組織タリバン(Taliban)系の武装勢力の掃討作戦に力を入れている、Bajaurとスワト(Swat)に隣接しているものの、パキスタンで多数派のスンニ派住民が大部分を占めるためこうした攻撃が発生することは珍しいという。

 犯行声明はまだ出ていないが、同地区では、前月開かれた長老らの会合で、タリバンの同地区への立ち入りを禁止するなど、反タリバンの姿勢を強く打ち出す声明を発表していた。(c)AFP