【8月27日 AFP】国連薬物犯罪事務所(United Nations Office on Drugs and CrimeUNODC)のアントニオ・マリア・コスタ(Antonio Maria Costa)事務局長は27日に掲載されるインタビューで、アフガニスタンのアヘン生産者が、栽培地域を不安定な状態にとどめ、自由にケシの栽培を行うことができる状況を維持するため、タリバンに毎年およそ3億ドル(約330億円)の資金提供をしていると述べた。

 コスタ事務局長は、オーストリアの日刊紙「Die Presse」のインタビューに対し、「栽培農家からだけで、約7300万ドル(約80億円)がタリバンに流れている。反政府勢力からの合計では、タリバンは約3億ドルを受け取っている」と述べ、「不安定な状態を存続させることが、反政府勢力にとって経済的な利益になる」と結論づけた。

 コスタ氏は、AFPのインタビューに対し、それらの資金は、農家にかけられた10%の「税金」が資金源になっていると述べた。これらの金が腐敗した政府高官に渡る場合もあるという。

 UNODCが26日に発表したアフガニスタンにおけるアヘン生産の最新の報告書によると、アフガニスタンのアヘン生産量の98%が「タリバンの拠点があり、犯罪組織グループが混乱に乗じて利益を上げている」南西部の7州で栽培され、生産量の3分の2が、反政府勢力に関連した事件や武力衝突が最も多い州の1つである南部ヘルマンド(Helmand)州で栽培されたとされている。(c)AFP