【8月19日 AFP】アフガニスタン東部の駐留米軍基地に対し19日未明、旧支配勢力タリバン(Taliban)の戦闘員約30人による自爆攻撃があり、自爆犯を含む少なくとも13人が死亡した。

 襲撃されたのは、パキスタンとの国境から約30キロの同国東部ホスト(Khost)州にあるサレルノ基地(Camp Salerno)。同州のArsala Jamal知事によると、タリバン側の自爆犯は約30人で攻撃した。同基地はアフガニスタン東部で最大の米軍基地。

 同基地の外では前日にも自動車による自爆攻撃があり、基地に入るために並んでいたアフガニスタン人の労働者10人が死亡、13人が負傷した。

 ISAFの発表によると、19日の攻撃では自爆犯らは兵士らの宿営地まで1キロの地点で制止された。基地内にいた米軍側が、侵入した一団が攻撃態勢にあることに気付き、小火器で応戦したという。その直後に援軍のヘリコプターが到着、逃走するタリバン勢力を追撃した。

 ISAFによると、この過程で死亡した7人のうち6人は武装勢力側。6人のうち3人は爆発物を仕込んでいたベストを爆発させて自爆し、ほかの3人も自爆を試みたが米軍に殺害された。米軍側には死傷者は出ていない。

 今回の襲撃は7月13日に北東部クナール(Kunar)州で米軍の前哨基地が攻撃され、米兵9人が死亡、15人が負傷した事件以来、アフガニスタン国内の米軍施設に対する攻撃としては最大となった。

 タリバンのZabihullah Mujahed報道官は犯行声明を発表し「ライフルと自爆用ジャケットで武装したムジャヒディン(聖戦の戦士)30人のグループがホストの米軍基地を攻撃した」と述べた。国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)とつながるイスラム強硬派のタリバンは、前日の同基地周辺での攻撃についても自らの犯行だったことを明らかにした。

 18日には首都カブール(Kabul)の東、約50キロのSarobi地区で、北大西洋条約機構(NATO)が指揮する国際治安支援部隊(International Security Assistance ForceISAF)として展開するフランス軍が襲撃され、激しい戦闘に巻き込まれた。一夜明けた19日も戦闘は続いた。

 ISAFおよび仏軍によると、巡回中だった同軍が襲撃され戦闘が始まった。ISAF高官は「一晩中戦闘を続け、今も交戦中だ」と述べている。アフガニスタンの軍関係者によると仏軍、反政府勢力の双方に大量の死者が出ているという。仏大統領府筋は19日、2日間で仏軍兵士10人が死亡したと明らかにした。(c)AFP/Sardar Ahmad