【8月11日 AFP】グルジア・南オセチア(South Ossetia)自治州情勢をめぐり激化するグルジアとロシア軍の戦闘で、戦力に勝るロシア軍の攻撃を受け、グルジア政府は同自治州からの撤退を宣言しているが、ロシア軍はグルジアの首都トビリシ(Tblisi)近郊の空港を空爆するとともに、グルジア海軍の艦艇1隻を撃沈したと発表した。

 ロシアのこうした動きに対し、米国が戦闘の「不均衡かつ危険な拡大」は両国関係に悪影響を与えると警告するなど、欧米諸国から新たな非難の声が上がっている。

 一方、事態打開に向けて、フランスとフィンランドの外相がトビリシ入りしたほか、ロシア政府はフランスのニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)大統領が今週初めにモスクワ(Moscow)を訪問すると発表している。また、ドイツの閣僚によると、グルジアとロシアの外相が10日、直接会談を行ったという。

 グルジアは南オセチアからの撤退を発表したが、AFP記者はその発表直後、トビリシ郊外の国際空港に近い空軍施設が空爆される様子を目撃。また、グルジアの内相も、トビリシ国際空港(Tbilisi International Airport)の滑走路から200メートルの場所がロシア軍機によって空爆されたと述べている。

 また、複数の通信社はロシア国防省関係者の話として、ロシア海軍が、攻撃してきたグルジア海軍艦艇1隻を撃沈したと報じている。ロシア政府は、海上封鎖の可能性については否定しているものの、ウクライナにあるロシア海軍基地から数隻の艦艇をグルジア沿岸に派遣している。

 ウクライナはグルジアの同盟国であり、ロシア海軍艦艇をウクライナ国内の基地に帰還させないと警告している。(c)AFP/Adam Plowright