ルワンダ大虐殺にフランス政府が加担、ルワンダ政府が報告書
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【8月6日 AFP】(一部更新)ルワンダ政府は5日、1994年のルワンダ大虐殺にフランスが積極的に加担したとする報告書を発表した。報告書は、フランスの複数の政治家や軍幹部の氏名を挙げ、彼らは訴追されるべきとしている。
500ページにも及ぶ報告書は、フランス政府が大虐殺への準備が進んでいることを事前に察知し、虐殺の計画に加担し、虐殺に積極的に参加したと主張している。また、虐殺にかかわったとするフランスの大物政治家らの氏名を挙げ、2国間関係はさらに悪化することになるだろうと指摘している。
この報告書が発表されたあと、ルワンダ司法省は、「フランス軍は、ツチ人(Tutsi)とフツ人(Hutu)穏健派の殺害に直接手を下し、ツチ人への複数のレイプも行った」とする声明を出した。
ルワンダは、大虐殺の引き金となった1994年4月のルワンダのハビリャマナ(Juvenal Habyarimana)大統領(当時)暗殺の容疑でポール・カガメ(Paul Kagame)現大統領の側近9人をフランスが国際手配したことから、2006年11月にフランスとの国交を断絶している。
報告書は、虐殺にかかわった人物として、当時首相だったフランスのエドゥアール・バラデュール(Edouard Balladur)氏、当時外相だったアラン・ジュペ(Alain Juppe)氏、当時ジュペ外相の側近を務めのちに首相となったドミニク・ドビルパン(Dominique de Villepin)氏、当時大統領だったフランソワ・ミッテラン(Francois Mitterrand)氏(1996年に死去)ら13人の政治家、20人の軍幹部の氏名を挙げている。
フランス政府は、この報告書について、内容が正当性と公平性に欠けるとして、コメントを避けた。
あるフランス国防省のスポークスマンは、報告書はフランスの関与に関する証拠を寄せ集めたに過ぎず、「独立性と公平性」に欠けるとの談話を発表した。さらに、2006年11月に国交が断絶されたため、ルワンダ当局がフランス国内で尋問を行うことは合法ではなくその権限もないと指摘した。
フランスは、ルワンダで「誤り」を犯したことは認めているが、虐殺に対する責任は一切否定している。
国連(UN)は、1994年のルワンダ大虐殺で、少数派のツチ人とフツ人穏健派合わせて約80万人が殺害されたと推定している。(c)AFP