【8月5日 AFP】中国北西部・新疆ウイグル（Xinjiang Uighur）自治区のカシュガル（Kashgar）で4日朝発生した武装警察隊への襲撃事件で、警察署にトラックで突っ込んだウイグル人2人は、警察の制服を着用していたことが目撃者証言で明らかとなった。2人はさらにナタのような刃物で警察官らに切りつけていたという。

　襲撃された警察署前のホテルに宿泊し、ホテルの窓から事件を目撃したというポーランド人観光客の男性が、AFPに事件の一部始終を語った。

　この男性によると、警察の制服姿の男2人が乗ったトラックが武装警察隊員の一団に突っ込むと、そのまま進んでホテルの正面玄関に激突した。その後、2人は小型の爆発物を警官らに向かって投げつけた。警察官の数は少なくとも20-30人で、負傷して横たわったままの者や、すでに死亡したとみられる者もいたという。

　トラックから飛び降りた2人は、ナタのような刃物で横たわったままの警官らに切りつけた。襲撃者のうちの1人が取り押さえられると、1人の警察官が襲撃者から取り上げたナタを手に、もう1人の襲撃者と決闘のような戦いを繰り広げたが、この襲撃者も取り押さえられた。現場の路上は血まみれだったという。

　ポーランド人男性の妻は、目の前で展開したあまりに凄惨な事件に、吐き気を催すほどだったという。

　男性は、状況が非常に混乱していたため、中国国営メディアが伝えるように襲撃者がウイグル人の独立勢力だったかは確認できなかったという。

　この男性の証言を裏付ける中国人目撃者の情報もある。中国南部広東（Guangdong）省から観光でカシュガルを訪れ、やはり警察署前のホテルに宿泊していたこの中国人男性によると、襲撃者らが着ていた制服は人民武装警察部隊のものに似ていたという。一方、襲撃者がウイグル人であったかどうかは、定かではないという。(c)AFP/Dan Martin