【8月4日 AFP】イスラム教徒が多数を占める中国北西部・新疆ウイグル(Xinjiang Uighur)自治区のカシュガル(Kashgar)で4日朝、国境警備に当たる武装警察の拠点が襲撃された事件で、ウイグル人の亡命者グループが事件の発生を確認したことを明らかにした。

 欧州を拠点とするウイグル人組織、世界ウイグル会議(World Uighur Congress)の広報担当Dilxat Raxit氏はスウェーデンでAFPに対し、カシュガル市内に在住するウイグル人数人と電話で話したと述べ、襲撃されたのが中国人民武装警察部隊の拠点であることを確認したと明らかにした。しかし、犯行へのウイグル人の関与の有無や、詳しい襲撃の様子は確認できなかったという。

 しかし、チュルク語を話すウイグル人の間では、五輪を前にした中国当局の弾圧に対する怒りが高まっていたという。Raxit氏によると「ウイグル人は同自治区内のいたる所でテロリストとみなされ」、大勢が武装警察によって拘束されていた。Raxit氏は「警察や武装警察は無原則に人々を拘束している」と述べ、さらに拘束された者たちは拷問を受けたとも語った。各村に武装警察の拠点が設置され、外出禁止令が発令されているという。

 国営新華社(Xinhua)通信によると、テロリストによる犯行とみられる4日の襲撃では警官16人が殺害され、北京五輪開幕を4日後に控える中国で、治安に対する不安を引き起こしている。(c)AFP