【8月3日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)ガザ市(Gaza City)で2日、同地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)とパレスチナ解放機構(PLO)主流派のファタハ(Fatah)の戦闘があり、一般市民を含む9人が死亡、数十人が負傷した。

 これを受け、イスラエルは人道的措置として、ガザ地区のファタハ関係者に対し境界にある検問所を開放し、ヨルダン川西岸(West Bank)への通行を許可した。

 前月25日にガザ市郊外の海岸で自動車が爆破されハマスのメンバー4人と少女1人が死亡した事件をめぐり、ハマスとファタハはこの1週間、相手方支持者を多数拘束している。ハマスは事件の背後にマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)自治政府議長率いるファタハがいるとしているが、ファタハは関与を否定している。

 ガザ市内のファタハ系有力者の自宅付近で発生した1日の戦闘で、ハマスはメンバー2人が死亡したと発表。現地医療関係者によるとほかに7人の死亡が確認され、その多くが一般市民だという。負傷者は90人以上で、うち7人が重体。ハマスとファタハは攻撃を開始したのは相手方だと互いに非難している。

 西岸にある本拠地のラマラ(Ramallah)に脱出するためナハル・オズ(Nahal Oz)検問所に避難したファタハ関係者らに対し、イスラエル政府は「人道的措置」として検問所を開放。武装解除した150人に通行を許可し、負傷者はイスラエル国内の病院に収容したと発表した。

 イスラエル国防省高官はAFPの取材に対し、アッバス議長、サラム・ファイヤド(Salam Fayyad)パレスチナ自治政府首相、およびエジプト政府からの要請を考慮し、エフド・バラク(Ehud Barak)国防相がこの異例の措置に踏み切ったと述べた。(c)AFP/Adel Zaanoun